ココで一度、俺の経緯について書きたいと思います。
どうして俺が、こんなにパーティーの事が好きになったのか、話して置こうと思うんよ。
ちっと重くて長い話になるので、既読は注意でお願いします。
全8章で構成されている、カナリの長文です。
1年5組
hara
俺が中2の時に、母親が自殺をしました。
母ちゃんはね。
優しくて、明るくて、習字をしたり三味線したり生け花や、フルート、着付けに、茶道、絵を描くのも凄い上手なスーパー母ちゃんだったんよ。
ウチは、お茶屋を経営してたんだけど、どれもちゃんとこなしていて、向上心の高い人だったんだ。
商店街でも人気モノでね。
皆んなから慕われていた。
商売もあってか、誰でも受け入れる人だったんよ。
面白くて、気遣いも上手い、怒るとメチャ怖い。
いつもテンション高めの、世界で一番大好きな、自慢の母ちゃんだった。
その日、いつもの様に学校から帰って来ると。
何故か、ウチのお茶屋が閉まっていたんだよね。
母ちゃんが今まで、無断で店を休む事なんて無かったから。
夜になっても帰ってこない母ちゃんを、家族で心配していたんだ。
そして一度
自分の部屋に戻った俺は、ベランダ用のスリッパがない事に気がついたんよ。
ベランダの半分は倉庫になっていて、何故かその中が急に気になったんだ。
俺はベランダに出て、倉庫のドアを開けてみた。
その瞬間。
全身に物凄い電撃の様な!
痺れる風の様なモノが、俺の体を貫通して外に出て行ったんだ。
「見ないで!」
って、叫びが聞こえた気がしたよ。
倉庫の中では、母ちゃんが首を吊って死んで居た。
俺は
「母ちゃんが!母ちゃんが!」
と叫んで家族を呼び、親父と一緒に、母ちゃんを俺の部屋まで運んだ。
「どうしてこんな事を、どうして。」
親父、姉貴、俺の3人は、それしか言えなかった。
歯を食い縛りながら。
「どうして、どうして、、、」
朝出かける時は、いつもと変わらない明るい母ちゃんだったんだ。
首に食い込んだ紐の跡は、今でも鮮明に覚えて居る。
苦しむでもなく、悲しむでもなく、静かな寝顔だった。
遺書とか、メッセージみたいな物は何一つ無かったんよ。
ばぁちゃんが老人ホームに入って、母ちゃんの負担が増していた時だったんだよね。
家事とお店の経営の両立は、流石にキツかったんだろう。
それに、ウチの両親は見合い結婚だったらしいのよ。
お茶屋の跡取りとして、親父を婿養子にしたんだね。
爺ちゃんは、結構立派な人だったから、多分逆らえなかったんだろうと思う。
望む結婚でも、なかったんだなぁ。
母ちゃんはよくオレに、昔好きだった人の話しをしていたよ。
そして、遠くに1人で旅に出たいとも言っていた。
ホント、アーティストな人だったからさ、ちょっと産まれるのが早かったんだろうね。
今の時代だったら、キット面白い事をする逸材になっていたと思う。
だから、そう言う意味でも、惜しい事をしたって思っているんだ。
多分ね、母ちゃんには、自分が置かれてる環境が狭過ぎたんだろう。
まだまだソノ頃は、離婚も自殺も珍しい時代だったから、逃げる事が出来なかったんだろうと思ってる。
料理が苦手なのを悔いていたよ。
そんな母ちゃんの気持ちに、俺は気づいてやれなかったんだ。
母ちゃんが、そんなに悩んでいるなんて、考えもしてなかった。
強い明るい母ちゃんが、いつも居ると思ってたから。
甘えてたね。
自殺って、本当に残された家族にとっては、物凄い罪悪感しか残らないんですよ。
後悔と未練と絶望しかないんだ。
俺もね、ずっと自分を責めていた。
「母ちゃんは、俺といるコノ世界が死ぬほどやだったんだ」
ってね。
決してソウでは無いのも分かっていた。
でもね、そうやって自分を責めることしか出来なかったんだ。
末っ子で、ワガママで、食べ物の好き嫌いが多かった俺は、
いつも母ちゃんを困らせていたから。
だから。
「母ちゃんは俺が殺したんだ」
って、思わずには居られなかったんだよね。
親父や姉貴に申し訳なかったよ。
でも多分、親父や姉貴も同じような心境だったんじゃないかな。
特に親父は、親戚やご近所さんに、随分酷い事を言われていたね。
母ちゃんが死んだ、直ぐ横の部屋で。
俺はずっと泣いてた、世界で一番好きな人だったからさ。
厄介なのは、それと同時に冷静な自分もいたんだよね。
母ちゃんが死んで、今後俺はどうすれば良いんだろう?
などと考えてしまう。
そんな事を考えてしまう自分にも、嫌気がさしていたのを覚えてる。
警察は5月病、突発的な衝動でやってしまったんだろうと言っていた。
それからね。
死ぬまで、切り離す事が出来ないトラウマが出来たんだ。
自殺と言う言葉を聞くと、真っ先に母親の事を思い出してしまう。
50歳を過ぎたのに今だに、友人や知り合い達が死んだ時には、先ず死因を聞いてしまうんだね。
自殺じゃないと聞くとホッとしてしまうんよ。
まだ、自殺じゃないだけ良かったってね。
そして、そんな事を考えてしまう自分をまた嫌悪する。。。
たまったもんじゃないね。
コレが一生続くんだよ。
お陰様で、愛をバカにして世間をバカにする人間になっちまったよ(笑)
愛なんて物は存在しない、単なる性欲の言い訳だろ。
なんてね(笑)
そんな事を、真剣に考えていた青春時代だったっす(笑)
人に甘える自分を、嫌悪するようにもなっていった。
他人をバカにする様になっていた。
まぁ、グレたり酷い人にはならなかったけど、人生観は冷め切っていやしたね(笑)
その後
俺たちに迷惑をかけたく無いって理由で、親父は再婚したんだけど。
コレがまた、メチャ嫌な女が来ちゃってなぁ〜笑
親父を見て育った俺は、結婚なんてするモンじゃね〜な〜。
って、思うようになったかな?笑
子供が欲しいなんて、皆無だったね。
まぁこの十数年後にインドに旅に出て、愛に気づくまでの青春の期間は、ずっと世界に不貞腐れて生きていましたな(笑)
その後俺も色々あって、
死にたいって思っちゃう人の気持ちも分かるんだけど。
(次回からの作文でコレに着いての経緯を書きます)
流石に、不治の病で苦しんでる人に、無理してでも生きろ!
とは言えないけどさ。
5体満足な体で動けるのなら。
ホントね、生きてりゃなんとかなるんです。
最悪死ぬだけだからさ(笑)
まぁ、そんな事は承知の上だとは思うのだけど。
今、死にたいと思ってる人。
もしも、好きな家族や恋人、友達が居るならば。
悲しませたくない、アナタの死を悲しむ人が1人でも居るのなら。
今一歩、思い止まって欲しいんよ。
その人達にとって、その後の人生を変えてしまう。
一番残虐な行為をしようとしてるって事を、分かって欲しいです。
決してアナタを追い込もうとは思って居ない。
がんばれ、なんて無責任な事も言えないけどさ。
深呼吸して、先を怯えないで、今を感じて、冷静になって欲しい。
まじめで責任感のアル善人、才能あるアーティストなんかが、自殺を選ぶってケースは多いからね、本当に勿体ないと思って居るんよ。
偶に、夢に出てくる母ちゃんは
毎回同じ設定で。
実は死んでなくて、家出をしていたのが帰って来た。
って事になってるんだよね。
俺はね、母ちゃんに、自殺をするくらいなら、全てを捨てて逃げ出して欲しかった。
生きて欲しかった。
コレがね、自殺者を持つ家族からの願いの声です。
自殺者が一人でも居なくなる世界を、俺は望んでいます。
2024年6月1日 hara
暗い話しをしてしまったね。
この話しは、次回に話す作文の「Goaで狂った私」に繋がります。
#適当に創造して下さい